シャント抵抗器 互換品選定のポイント
シャント抵抗器の選定は、電流測定回路や保護回路において重要な要素です。適切なシャント抵抗器の選定は、正確かつ安全な電流測定を実現するために欠かせません。特に他社メーカーの互換品を選定する場合は、様々なポイントを押さえて適切に選定することが重要です。今回は、シャント抵抗器の互換品選定のポイントをわかりやすく説明します。
互換品選定のポイント
1. サイズ
お客様で現在使用中のシャント抵抗器は基本的に基板上にマウントされていることがほとんどかと思います。
基板レイアウトで、はんだパッドのサイズが決められており、それに合ったサイズの抵抗器を選定する必要があります。
サイズはケースコードというキーワードで調べることができます。
インチとmmで表記されている場合がありますので、単位を間違えないようにしてください。
ケースコード例)2512, 3920, 5930, 8518
2.抵抗値
抵抗器は回路の機能に合わせ電流を制御するよう使用されますので、抵抗値を合わせることは重要です。
現在使用中の抵抗器の抵抗値と同じものを選定する必要がございます。
データシート上、同じ抵抗値でも測定ポイントが同じとは限りません。
抵抗値測定ポイントがどこなのかを注意する必要があります。
詳しくは抵抗値測定ポイントと抵抗値のサイトを参照ください。
3. 抵抗値公差
抵抗器は製造上のばらつきがございます。抵抗値はトリミングにより微調整されますが、全ての製品が同じ抵抗値にはなりません。
回路もばらつきを考慮し、ある範囲内であれば機能上、問題無く動作するように設計されています。
その範囲が±5%、±2%なのか±1%なのかは、回路設計によって変わります。
回路が問題無く機能するように、現在使用している抵抗器の抵抗値公差を確認し、同じ公差のものを選定する必要がございます。
4.定格電力(W)
定格電力は、どこまでの電力に耐えられるかの指標になります。
現在使用中の抵抗器の定格電力と同等以上の抵抗器を選定してください。
5.TCR(抵抗温度係数)
抵抗値は温度によって変動します。単位PPM/℃で表記されています。
抵抗器が精度の高い制御が必要な機器に使用される場合は、温度による抵抗値変動をTCRを基準に補正し電流値を正確に把握するよう回路設計されています。
非常に小さな変動ではありますが、同等のTCRの抵抗器を選定してください。TCRは抵抗合金に大きく依存します。
当社では、他社メーカーからの互換提案の実績が豊富にございますので、互換品選定でお困りごとを抱えのお客様は、お気軽にご相談ください。