技術情報

抵抗値測定ポイントと抵抗値

近年、インターネット上の情報が非常に充実してきているため、電流検出抵抗器を探す場合、メーカーごとの各種オンラインサイトで簡単に探すことができます。ケースコード、抵抗値、抵抗値公差、定格電力などの希望する条件を入力すれば、市販されているほぼ全ての抵抗器から要求に合う抵抗器を探しだすことが可能です。

しかし、実際に使用する際には注意が必要です。同じ条件でリストアップされた抵抗器でも、単体で抵抗値測定をした場合、抵抗値が公差から外れるケースがあり得ます。

今回は、抵抗値測定ポイントと抵抗値について、図や表を用いてご説明させていただきます。

図1をご覧ください。どちらも同じケースコード5930の抵抗器の電流供給ポイントと電圧降下検出ポイントの図面になります。電圧降下検出ポイントの距離は左が13.2mm、右が9.20mmとなります。13.2mmを基準に製造された抵抗器を9.2mmの検出ポイントで抵抗値を測定すると、当然より低い抵抗値となります。

図1

 

位置によって抵抗値が変わるにもかかわらず、このような検出ポイントの図面は一般に公開されていません。表1は当社においてシヴァリック社の基準測定ポイントで他社の相当品を測定した結果です。

表1. シヴァリック社の標準抵抗値測定ポイントでの相当製品との抵抗値比較

シヴァリック社の基準測定ポイントと類似しており公差内に収まっているものもあれば、公差から外れた相当製品もあります。これは単体で抵抗値測定をした場合です。

 

実際にはこのような面実装の抵抗器は基板上に実装されて機能します。その際、電圧降下は銅端子全体で検出されることになります。図2はケースコード5930のパッドレイアウトですが、検出ポイントの違いに対応するため寸法に若干の違いがあるのが分かると思います。各社面実装タイプの抵抗器のデータシートには図2のような推奨のパッドレイアウトが記載されており、それに沿った基板が必要となります。銅端子全体で検出するため、測定ポイントの違いによる抵抗値の違いは、このようなパッドレイアウトにより吸収される可能性もあります。あるいは実運用時の許容度の調整で吸収される可能性も大きいです。

図2.検出ポイントの個別要求への対応

 

インターネット上でケースコード、抵抗値、抵抗値公差、定格電力などの希望する条件を検索すれば対応する抵抗値を選定することは可能ですが、今回ご説明させて頂いたような抵抗値測定のポイントを加味しなければ、想定していた機能を果たすことが難しい場合がございます。

あらかじめこれらの情報を加味した設計を実施しなければ、後工程で不具合が発生し、再設計等のトラブルに繋がりかねません。

シヴァリック社は、測定治具を開発できる金型ワークショップを社内で持っており、ユーザー毎に異なる検出ポイントでの抵抗器製造の要求に柔軟に対応可能です。

シャント抵抗器をご検討される際は、これら抵抗値測定のポイントを考えることが非常に重要となります。シャント抵抗器でお困りごとをお抱えのお客様がおられましたら、ぜひ当社にお声かけください。

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