技術情報

ゼロオームシャント抵抗器について

シャント抵抗器の種類の一つに、ゼロオームシャント抵抗器があります。

SHIVALIK BIMETAL CONTROLS社のシャント抵抗器では、SBA-Cu-R000が該当します。
ゼロオームシャント抵抗器は抵抗合金を使用せずに銅のみで製造され、錫メッキの表面処理がなされます。

ゼロオームシャント抵抗とジャンパー抵抗

ゼロオーム抵抗は配線間を接続するジャンパー線のように使われるため、ジャンパー抵抗とも呼ばれています。

ゼロオームシャント抵抗が使用される理由

電気的には、ゼロオーム抵抗とジャンパー線は同じです。しかし、ゼロオーム抵抗が使用される理由は大きく4つあります。

回路基板への実装が容易

SBAシリーズのような表面実装型のシャント抵抗は、チップマウンターにより実装されます。ジャンパー線を共通のマウンターで実装することはできないため、他の表面実装型と同様に実装が可能なゼロオーム抵抗を使用して、生産性を向上させることが必要です。

設計変更要求への対応が容易

ゼロオーム抵抗は他の抵抗器と形状が同じで、ジャンパー線よりも簡単に取り外しすることが可能です。そのため、後から設計変更で普通の抵抗に変更することや、その逆の変更が容易になります。

回路基板の配線効率化

回路基板で配線を交差させたい時、片方の配線にゼロオーム抵抗を使い、交差する配線はその下をプリントパターンで通します。配線を迂回させる必要がないため、効率の良い配線が可能になります。

アナログGNDとデジタルGNDの接続用

アナログGNDとデジタルGNDは1箇所で接続するのが理想ですが、回路設計CADツールの制限で、その指定ができないことがあります。そのため、アナログGNDとデジタルGNDの接続にゼロオーム抵抗を挿入して、配線ノードを別にすることで接続できるようにすることもあります。

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