プリント基板とシャント抵抗器の選定
システム設計からプリント基板の流れ
システムの要求仕様が確定すると、その機能は能動部品、受動部品、そして電気信号の経路として回路図に表現されます。この回路がシミュレーションで機能検証された後、回路図、デバイスリスト、配線仕様などの設計仕様を基にプリント基板(PCB)の設計が進められます。
電気信号の配線と銅箔の厚み
電気信号の配線は銅箔で行われ、配線幅と銅箔厚は流れる電流量に応じて決定されます。特にプリント基板の外層に使用される銅箔厚には、18μm、35μm(標準)、70μm、105μmといったバリエーションがあり、標準の35μmでは以下が目安となります。
- パワーライン(大電流対応): 電源やモータへの電流供給など、大電流を流すパターンには「1mm=1A」が目安。5Aを超える場合はさらに幅を広げることが推奨されます。
- 信号ライン(制御・通信信号): 0.5A以下の制御信号や通信信号には、デジタル回路で0.15~0.2mm、アナログ回路では0.3~0.5mmの配線幅が適しています。
抵抗値と表面実装シャント抵抗の選定
回路図には抵抗記号と抵抗値が定義されていますが、配線に流れる電流量と許容できる温度上昇を考慮して、適切な表面実装型シャント抵抗を選択することが重要です。
大電流対応のバスバー基板の採用
大電流対応の要求から、プリント基板にバスバーを埋め込んだ「バスバー基板」の利用が増えています。例えば、定格1000Aを流すには、35mm²の断面積を持つバスバーが必要です。バスバーとプリント基板の組み合わせにより、スルーホール型シャント抵抗を実装した大電流対応の電流検出システムが容易にモジュール化できます。
このような設計のポイントは、高電流対応、温度管理、配線幅の最適化に関する重要な情報であり、効率的で信頼性の高い電気回路の構築に欠かせません。
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